16. 男「夢の中の君は、いつも寂しそうで。抱きしめたいのに、君は僕を拒むんだ。」
女「貴方はいつも優しくて、夢の中でさえ、私は貴方に縋ってしまう。」
男「君は本当に猫みたいだね。気紛れだけど、そんな所も素敵だ。」
女「貴方はまるで蜘蛛だわ。私を見えない糸で縛り付けるの。」
男「早く君に会いたいよ。」
女「早く貴方に会いたいわ。」
男「狂おしいほど愛してる。」
女「愛おしいほど狂ってる。」
17. 男「あれ、ここ何処だっけ…?」
女「ねぇねぇ!遊ぼう?」
男「うわっ!?…誰だ?お前。」
女「えー?誰だっていいでしょ?それより遊ぼうよ!」
男「いや、誰かもわからない奴と遊ぶ気になれないんだが…」
女「私は〇〇。…まぁ、教えた所で憶えてられないと思うけどね。」
男「…は?それどういう意味だ?」
女「あ、もう時間だ!じゃあね、△△。また明日!」
男「お…おい!…何だったんだ?…ってか、あいつなんで俺の名前知ってるんだよ。…まぁ、いいか。寝よう。」
18, 女「〇〇ー!」
男「うぐっ…」
女「ねぇねぇ!お出かけしよう!」
男「げほっ、げほっ…お…お前なぁ!ダイブして起こすことねぇだろ!」
女「えー?だって△△、全然起きないじゃん。」
男「夜勤明けで寝みぃんだ、少しぐらい寝かせてくれよ。」
女「だって、つまんないんだもん…折角2人とも休みなのに…久々の休みなのに…」
男「…あぁ、もう。わかったよ。何する?」
女「えっ!いいの?じゃあ、じゃあ!ドライブして、映画見て、夜景見ながらディナーにしよう!」
男「…なぁ。一つ言っていいか?」
女「ん?なぁに?」
男「やっぱ寝てようぜ。」
女「えぇ!ちょっと!〇〇!〇〇ー!」
19. 女「ピンポーン」
男「ん?なんだ、こんな時間に…」
女「あれ?留守なのかな…?」
男「ガチャ…どちら様?」
女「今日、隣に引越してきました。これ、つまらないものですが。宜しくお願いします。」
男「あぁ、ご親切にどうも。」
女「……?」
男「…なにか?」
女「あの、何処かでお会いしてませんか?」
男「は?…あぁ、いえ。初対面だと思いますが。」
女「……そう、ですよね。すみません急に。」
男「要件はそれだけっすか?」
女「あ、はい。失礼しました。」
男「…ガチャ。」
女「あの妙に懐かしい気持ちは何だったんだろう…やっぱり何処かで会ってる気がする…」
男「…何だったんだ?あいつ。よく分かんねぇ奴だな。」