31. 「………は?う…うそだよな?嘘だって言ってくれよ!おい!返事しろ!死ぬなっ!死ぬんじゃねぇよ!お前はまだ生きるんだろ!?生きて家に帰るって言ったじゃねぇか………ぁ、ぁぁああ、あああああああああ!」
32. 「ぁ、ああっああああああああ!父さん!母さん!どうしたんだよ!なんで床で寝てるんだよ!起きろよ!なぁ!なぁって!……誰が、誰がこんなことを……っ!兄さんっ!兄さんがやったのか!……どうしてだよ。なんで兄さんがっ……。」
33. 「病気になって、余命宣告された時から俺が死ぬまでにやりたいことリストっていうのを作ったんだけどさ。あと一つ、あと一つだけやり残したことがあるんだ。これは俺だけの力じゃどうしても叶えられないんだ。……そしてお前の人生には重荷になってしまう。それでも聞いてくれるか?……そうか、じゃあ最後にやり残したこと。……お前と教会で永遠の愛を誓いたいんだ。」
34. 「永遠の命なんて要らない。ただ、君との時間が何時までも続くように。そう思っていただけ。」
35. 「君はいつも俺の上を行く。今だって、俺が君の手を取ろうとしても君は足場を上げて手の届かないところに逝ってしまった。ここから飛び降りれば君の手を掴めるのかな?」
36. 「雨……?………あぁ、涙か。………私にも涙なんてものが出るのか。悲しいなんて感情はとうの昔に無くしたと思っていたのだが………。所詮、私も人の子だと言う訳だ。」
37. 「身体も心も縛られて………もう逃げることなんて出来ない……。光が見えなくなってきた。そろそろ……お迎えの時間かな………」
38. 「どうか、私を覚えていてください。私は貴方の為に何が出来たでしょうか。貴方に遺せたものは、片手で足りるほどしかないけれど。せめて、頭の片隅にでも。どうか、私を覚えていてください。」
39. 「『絆』を捨て、『絆』を糧に死にあらがう。私の眼は光を捨てた。他が為に生きたのか。彼方を見つめ、君を想う。ただ貴方さえ戻ってくれたなら、それで良い。この身を捧ぐ最後の祈り。【さようなら、愛してる。】」
40. 「他に何もいらなかった。ただ、君さえいてくれればそれでよかったんだ。僕には……君しかいなかったんだから。」